西洋芝の年間管理表と使い方

西洋芝の管理が本格化

本日3月10日、10時の地温は13度、いよいよ西洋芝のシーズンがやって参りました。
昨年の今頃は姫高麗芝を管理しており、まだまだ余裕だったのですが、今年はパッティンググリーンを目指し、西洋芝のTyeeと言う品種に張り替えたので、今年の春は芝生管理でとても忙しく過ごしております。

今回西洋芝を関東で張るにあたって、一番気を使ったのが、夏をどのように無事に越えるかと言う事。ご承知の通り、西洋芝は一年中緑の芝生を維持する事が出来る一方で、限界生育地温は25度。それ以上の地温になると枯れてしまいます。関東で西洋芝を管理する為には、それなりの勉強が必要です。今日は、私がこの冬勉強してきた知識を元に、年間の西洋芝管理計画を立てました。その全体像についてお話しします。

西洋芝の年間管理表

※サイズの関係で5月までとなっています。

これは、合計4冊の本を読んでまとめた私の管理表です。上の3列には基本情報として、東京の月別平均気温と降水量を書き出しています。

成長能指数とは
これは、世界的なグリーンキーパーの権威、マイカウッズ氏の考え方から勉強させていただいたのですが、成長の度合いを数値化した物です。これは単に、どの月が成長著しいかを把握する為の物ではありません。芝生の成長期に、その度合いにあわせて必要な分だけ肥料を与える為の指標になります。成長能指数は、成長期を確認できるだけではなく、肥料をあげる量の根拠として使えます。人間もカロリー摂取量を運動量に合わせて取らないと、太ったり痩せたりするのと同じで、芝生も、成長に合わせた量の肥料じゃないと、肥満で病気になったり、痩せすぎて栄養失調になったりします。

年間肥料、刈高目標、目砂の投入計画

その下のチッソは、肥料の事です。チッソはあまりなじみが無いかもしれませんが、芝生に一番必要な栄養素なんです。芝生成分を分析すると、その多くがチッソで構成されている事が分かります。皆様の芝生の肥料の裏面を確認ください。チッソが多く含まれ、そして、リンとカリが混合されている事と思います。

リンとカリも重要なのですが、日本の土の場合、往々にしてリンとカリははじめから含まれている事が多く、かつ、芝生のリンとカリの消費量は年間でも微量です。リンとカリが必要以上に投入されると、即座に雑草のガソリンとなります。

必要な養分を必要なだけ投入すると言う観点から、私はチッソだけを与える事にしています。チッソが多く含まれている肥料は、硫安という商品名で販売されています。しかし、硫安でも、チッソの量は全体の21%。

表中のチッソg/㎡の数値は必要量。それを21%の含有量で算出されたのが、硫安必要量です。これを80ミリの水で溶いて1平米に散布します。

刈高は、成長が一番著しい時期に一番短く、夏に向けて栄養を蓄える必要がある時期は長めに刈高を計算しています。

目砂は年間12ミリ(12ℓ)ですので単純な割り算となっています。これは、凸凹の修正ではなく、有機物が暴れることを押さえる意味合いでの目砂投入です。

年間水やり計画

西洋芝管理の、最大のポイントは水やりだと思っています。土壌三相を参考に、土壌の水分量を10%から25%で管理します。特に夏場は、土壌水分量を押さえて管理する為、毎日水やりはしません。

土壌の水分量が多いと、夏の気温を土壌の水分が吸収してしまい、夜になっても地温が下がらない現象が発生します。それを避ける為に水やりは最小限になるようにします。この表では蒸発散というかたちで一日に芝生が消費する水分量を目安で記載していますが、定期的に土壌水分を計測して管理する必要があります。

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年間エアレーション、コアリング、薬剤、転圧計画

エアレーション、コアリング、転圧、そして薬剤投入に関して共通で言える事は、成長著しい時期に行う事です。これらの作業は芝生にはダメージを与える行為ですので、回復の著しい時期に行う事が重要となってきます。成長能指数を参考に考えると、5月、6月、9月、10月あたりがベストです。

グラステン水和剤は、ブルーグラス、ベントグラス、バミューダグラスに発生する病害に対して効果を発揮します。私がこれを愛用している理由は、治療にも予防にも効果があるからです。

日よけ、保温カバー

真夏の直射日光を和らげ、真冬の寒さから芝生を守ります。真夏に日よけをしても気休めにしかならないのではないかと思われる方も多いと思います。私たちは気温をコントロールする必要はありません。コントロールすべきは地温です。

寒さに強い西洋芝も、生育地温は10度から25度。10度を下回れば生育が止まり、氷点下の日が続けば色が少し黄色くなってしまいます。夏の日よけと冬の寒さから守る機能を持ったシートを1枚購入し、コストセービングしながら対策をとると良いと思います。特に冬場のカバーは効果を目で確認する事が出来るくらい、違いが歴然です。

少し長くなりましたが、この年間計画をもとに、毎月の管理方法をお話しして行こうと思います。

あくまでも、管理内容の選択は自己責任で。

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